WALTHER(ワルサー)P99シリーズとは?

WALTHER(ワルサー)P99シリーズとは?
WALTHER(ワルサー)P99シリーズとは?
 

WALTHER(ワルサー)P99シリーズ
ドイツ老舗メーカーの起死回生を担ったポリマーフレームオート

WALTHER(ワルサー)といえば日本ではサバゲーマーやミリタリーファンでなくてもその名を知らぬ人はいないほどの認知度を誇る銃器メーカーである。日本が生んだアニメキャラクターであるルパン三世の愛銃として知られるワルサーP38。ルパン三世によって広い年代を通じて存在感を増したのは確かではあるが、そもそもP38自体、1938年のドイツ国防軍制式ピストルとして登場以来広く使われた名銃であり、名実ともに優れたピストルであったのだ。

そんな老舗のワルサーであるがP38の存在が大きすぎたのもまた不幸で、その設計から脱却できぬまま新製品の開発において他メーカーに遅れを取ることも多く、同じくドイツの銃器メーカーH&Kなどの飛躍に敗北。近代におけるアメリカ軍やドイツ軍の制式ピストルのトライアルでも結果を出せず、1993年にはエアソフトなどの玩具を主力製品とし数々の銃器メーカーのラインセンスホルダーでもあるUMAREX社に買収され傘下となる。

窮地に追い込まれたワルサーが目を付けたのは、当時ほぼGLOCK(グロック)一強となっていたポリマーフレームオートのハンドガン市場であった。ポリマー素材の銃に新しい時代のスタンダードを見出したワルサーは、新しいアイディアをふんだんに盛り込んだ新しいハンドガンをP99として1997年にリリースしたのだった。

ワルサーP99

 

P99の特徴と成功

ワルサーでは初のポリマーフレーム採用のハンドガンとなるP99は、先行するH&K USPやグロックなどを参考としつつ独自の改良をしているのがポイント。当時フレームは一体成型であるのが普通であったが、P99ではバックストラップが交換式となり、射手の手に合うよう3つの形状変更が可能となっていた。これはグロックが後にGen4フレームからも取り入れているアイディアである。他にもUSPでも採用されているアンビマガジンリリースレバーを取り入れ、左右のスイッチングにも対応していた。

また、P99はグロックと同様ハンマーレスのストライカー方式を採用しているが、グロックではコッキングされているかどうか見分けがつかないのに対しP99ではエキストラクターがコッキングインジケーターにもなっており、赤い印による視認と手指による接触で撃発可能か確認できるようになっている。

P99はドイツ警察ピストルとして認定はされたものの発売初期は売り上げがなかなか上がらなかった。採用する州も少なく民間の売り上げも振るわなかったP99であるが、Gen2ではピカティニーレールを採用するなど日々の改良を怠らなかったことも功を奏し、徐々に認知度や信頼度を勝ち得ていくこととなる。

最終的にはP99は2000年代に一部のドイツ警察や税関本部実行部隊、ポーランド軍や国家警察にも採用されワルサーを代表する製品となった。P99はポーランドのラドム社でも生産されている。

P99とPPQ

 

P99をベースに展開していくワルサーのポリマーフレームオート

P99によってふたたびピストルのジャンルにおける地位を取り戻しつあったワルサーは、バリエーションモデルを展開させさらなる飛躍を狙った。ダブルアクションモデルやコンパクトモデル、そしてバリアントモデルとして登場したP99Qはトリガー周りの設計をさらに煮詰めた「クイックディフェンス」トリガーを搭載し飛躍的にピストルとしての性能を高めている。

P99Qのドイツ警察での活躍・実績は非常に大きく、デザインも現代的で民間市場での成功を確信したワルサーはP99QをPPQとして改めて2011年にリリースする。PPQは、P99と基本構造を同様としているが後継機種というわけではなく互換性は少ない。グリップをより人間工学に基づき握りやすくしバックストラップ交換システムを継承。9mm、.40S&W、.45ACPの3口径に対応している。

ワルサーPPQ M2

ワルサーPPQ NAVY

当初、法的機関だけでなく民間市場も狙ったPPQであったが、現在ではPPQ M2が台湾警察によって採用されるなど官民問わずワルサーのセールスの一翼を担うハンドガンとして成長している。

再起までには長い時間を要したものの、P99や同モデルをベースとしたポリマーフレームオート達は、ワルサーの当初の目的を果たし同社を再び銃業界の表舞台へと引っ張り上げた、P38にも劣らぬ名銃と言えるだろう。

 
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